小島三郎記念技術賞・福見秀雄賞
2018年度
第53回小島三郎記念技術賞並びに第37回福見秀雄賞の贈呈式が、去る6月22日(金)午後2時より浜松町東京會舘(東京・浜松町)において開催されました。
式典は渡邉治雄理事長の開会の挨拶で始まり、水口國雄選考委員長より小島三郎記念技術賞の選考経過報告が、また、猪狩淳選考委員長より福見秀雄賞の選考経過報告がなされ、受賞された各氏に賞状、記念品(小島三郎記念技術賞:記念盾、福見秀雄賞:記念メダル)及び副賞が贈呈されました。
贈呈後、小島三郎記念技術賞受賞者を代表して松下誠氏(埼玉県立大学保健医療福祉学部 教授)が挨拶され、「私たち5名は、それぞれ分野は異なるが、検査の実践の場に還元することができる新たな検査法の考案改良を行い、この伝統と歴史のある賞を受賞できたことを誇りに思っている。今回の受賞は、決して一人の力での受賞ではなく、研究を通した様々な出会いの中で、ご指導をいただいた先生方、または同僚・友人に恵まれた賜物と感謝している。今回の受賞を糧に、今後このような研究的思考を身に着けた若い後継者を輩出すること、並びに更なる臨床検査の発展に貢献することを目標に、より一層の自己研鑽に勤めていく。」と受賞の喜びとこれからの抱負を述べられました。
また、福見秀雄賞受賞者を代表して挨拶された矢野順子氏(元久留米大学病院臨床検査部 副技師長)は「永年に亘り、それぞれの恩師や上司、先輩・同僚、さらには後輩の方々、また技師会や学会においては学術・組織活動を通して関わりあえた多くの皆様とのご縁・ご支援あってのことと理解し、改めて深く心に受け止めている。私たち一同、本日の栄誉に甘んじることなく、また大きな励みとして、今後も微力ながらこのような医療の現場ひいては医療の質の向上に直・間接的に関わりあいながら、更なる努力を重ねたい。」と受賞の喜びと今後への決意を述べられました。
特別講演として慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート特任教授の中谷 比呂樹先生による「SDG時代の感染症対策〜課題と挑戦そして機会に満ちたグローバルヘルスの世界〜」と題した講演がありました。先生は2007年から8年間WHO本部事務局長補として、感染症対策部門を牽引されており、2014年に本財団の第50回小島三郎記念文化賞を受賞されておられます。今回のご講演は、「感染症を中心としたグローバルヘルスの現状と課題、SDG時代の感染症対策、日本からの貢献・日本への還元」の三つのお話をしていただきました。特にエイズなどの感染症への取り組みは大規模な健康問題であり、貧困と不健康の連鎖を断つということが感染症対策の非常に大きな目的であることと、その病気を救うことによってその地域の経済をも救うことになることやSDG(持続可能な開発目標)には17の開発目標があり、その主目的は貧困低減であるが貧しい途上国だけの話しではなく、私たち日本にとっての持続的な開発目標は、保健財政が持続可能かという問題になるなど大変興味深いお話をしていただきました。
贈呈式の閉会にあたり、黒住忠夫財団理事より受賞者並びにご家族の方々へのお祝いのことばが述べられ「受賞された先生方の平素のご努力が高く評価されて本日の受賞になった訳で、この受賞を契機にさらに研究活動が発展され医療に貢献されることを祈念している。」と挨拶がありました。
贈呈式の後、受賞された先生方を囲んで、一般社団法人日本臨床衛生検査技師会の宮島喜文会長から受賞者へのお祝いと激励のことばをいただき、同氏による乾杯の音頭で祝賀会に移り、一般社団法人日本臨床衛生検査技師会 下杉彰男元会長の中締めの挨拶で和やかなうちに散会となりました。
(事務局 小澤 宏和)