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小島三郎記念技術賞・福見秀雄賞

2020年度

 「第55回小島三郎記念技術賞及び第39回福見秀雄賞並びに第28研究助成金贈呈式」が去る10月30日(金)午後1時より、東京會舘(東京千代田区)において開催されました。

 本年度は、新型コロナウイルス感染症の蔓延により、延期されていました小島三郎記念技術賞及び福見秀雄賞の贈呈式と併せて研究助成金の贈呈式が開催されることになりました。また、祝賀会は実施せず、出席者も受賞者と本財団役員のみでの式典という簡素なものとなりました。式典は感染対策としてソーシャルディスタンスを配慮した会場のレイアウトや運営に心がけて執り行われました。なお、小島三郎文化賞は第56回を迎えたわけですが、今回は本賞の主旨にあう候補者がいなかった為、残念ながら創設以来、初めて受賞該当者なしとなってしまいました。

式典会場 渡邉治雄理事長 挨拶

式典は渡邉治雄理事長の開会の挨拶で始まり、水口國雄選考委員長より小島三郎記念技術賞の選考経過報告が、また、猪狩淳選考委員長より福見秀雄賞の選考経過報告がなされ、受賞された各氏に賞状、記念品(小島三郎記念技術賞:記念盾、福見秀雄賞:記念メダル)及び副賞が贈呈されました。

水口國雄評議員 小島三郎記念技術賞選考経過説明 猪狩淳理事 福見秀雄賞選考経過説明

小島三郎記念技術賞受賞者 : 左より、石毛崇之氏、大川龍之介氏、大ア博之氏、(西田睦氏は欠席)

福見秀雄賞受賞者 : 左より、石井清氏、及川信次氏、司茂幸英氏、坂場幸治氏

 贈呈後、小島三郎記念技術賞受賞者を代表して大ア博之氏(神戸大学大学院保健学研究科病態解析学領域 准教授)が挨拶され、「我々受賞者4名は,それぞれの分野において、紹介いただいた様な新たな検査法を開発し、それによってこの様な栄えある小島三郎記念技術賞を受賞できたことを本当に誇りに思っている。また一方で、この受賞は我々個人の力のみで出来たものではなくて,ご指導いただいた先生方、先輩方,そしてご協力いただいた同僚や後輩のおかげと感謝している。今回の私の受賞が、地方の中小規模施設で頑張っている若手の技師の励みになればこの上ない喜びである。」と受賞の喜びを述べられました。
 また、福見秀雄賞受賞者を代表して挨拶された司茂幸英(つくば国際大学医療保健学部 非常勤講師)は「この度は臨床検査技師にとり栄誉ある福見秀雄賞をあずかることになり、受賞者4名を代表してお礼を申し上げる。この受賞にあたっては、恩師や上司、同僚、部下、技師会の皆様、さらにはメーカーや施設のスタッフの方々からの多くのご指導やご指摘、ご支援、ご協力があっての事だと思い、深く感謝している。今後は、検体採取から結果報告までの精度保証を達成するために検査技師が、検査技術の認定制度の取得、病院施設の認証制度への参加が、益々、重要となると考える。また病院施設の認証制度は検査部門のみならず、他部門との連携、すなわちチーム医療を進めることが患者医療の貢献に繋がっていくと思われる。今後、微力ではあるが、引き続き後進の指導・育成に努め、貢献できればと常々思っている。」と受賞の喜びと今後の思いを述べられました。

大ア博之氏 技術賞受賞者代表挨拶 司茂幸英氏 福見賞受賞者代表挨拶

 続いて研究助成金の贈呈に移り、選考経過について選考委員長である本財団宮地勇人理事より、申請応募件数220件に対する選考委員会での審査・選考にて、厳正審査の結果、特に優れた15名に決定された旨を報告した後、渡邉理事長より研究助成金が総額1,500万円贈呈されました。

研究助成金 : 前列左より、雨宮健司氏、宮地選考委員長、梅村啓史氏、大石直輝氏
         後列左より、村上耕介氏、森本耕三氏、山口孝一氏

 贈呈後、研究助成金受贈者を代表して挨拶された森本耕三氏(公益財団法人結核予防会結核研究所抗酸菌部/複十字病院 研究員/医長)は、「私は非結核性抗酸菌症の診療と研究を続けており、この病気をもつ患者さんが既に結核よりも多くなっていることを明らかにしました。しかし、非結核性抗酸菌の中でもどの菌がどの地域で、身体のどこから検出されているのかという詳細なデータを欠いていたため、実際の検査データを大規模に分析することが不可欠であると考え、今回のビッグデータ解析研究に基づく疫学調査を計画し、この病気への対策に貢献していきたいと考えています。
 今回選考されました先生方の研究内容は、臨床検査、臨床研究、基礎医学研究など様々な分野に及んでおり、本財団の設立主旨が強く生きていると感じている。いずれの分野においても、非常に厳しい選考過程を経てのものであり、心から喜ばしく、また誇らしい気持ちであるが、同時に、今後の研究遂行を考えると身の引き締まる思いでもある。今回の受贈を糧に、一層研究にうち込み、医学の発展と人々の健康に貢献して参りたいと思う。」と受賞の喜びと今後の抱負を述べられました。

宮地勇人理事 研究助成金選考経過説明 森本耕三氏 助成金受贈者代表挨

 贈呈式の閉会にあたり、寺本哲也財団常務理事より受賞者並びにご家族の方々へのお祝いのことばが述べられ、「受賞された先生方の平素のご努力が高く評価されて本日の受賞という結果になったわけである。この受賞を契機に先生方の研究、活動が更に発展され、医療に貢献されることを心よりお祈り申し上げる。また、研究助成金をお受けになられた15名の先生方は、多くの申請件数の中から選考され、先生方の研究が高く評価された。この研究助成金を有効に活用し、さらに研究が進展することを期待している。」と挨拶がありました。

寺本哲也常務理事 閉会の挨拶

 今回の受賞者は、小島三郎技術賞4名、福見秀雄賞4名、研究助成金15名の方となりました。新型コロナウイルス感染症の影響で、東京への出張が所属施設より許可がおりない方も多く、技術賞で1名、研究助成金では9名の欠席者となり、寂しい式典となりましたが、出席した受賞者の先生方が心から喜ばれていたことが印象的でした。 新型コロナウイルスの感染拡大が早期に終息することを祈り、来年度は皆様方全員がご出席されることを心より願っております 。

(事務局 小澤 宏和)

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