第57回小島三郎記念技術賞・第41回福見秀雄賞
2023年度
第58回小島三郎記念技術賞並びに第42回福見秀雄賞の贈呈式が、去る6月9日(金)午後2時より東京會舘本館(東京・千代田区)において開催されました。
式典は渡邉治雄理事長の開会の挨拶で始まり、水口國雄選考委員長より小島三郎記念技術賞の選考経過報告が、また、猪狩淳選考委員長より福見秀雄賞の選考経過報告がなされ、受賞された各氏に賞状、記念品(小島三郎記念技術賞:記念盾、福見秀雄賞:記念メダル)及び副賞が贈呈されました。
小島三郎記念技術賞受賞者を代表して横山貴氏(新潟医療福祉大学 医療技術学部臨床技術学科 准教授)が挨拶され、「このような栄えある賞を受賞できたことを我々4名は本当に誇りに思っている。今回、私の受賞が尿沈渣検査に携わる技師の励みになり、また、ファブリー病患者の治療に多大な貢献を成すことができればこの上ない喜びである。今後は教育者として、検査技術の向上を目指し、臨床・教育・研究・精度管理などあらゆる方面で挑戦と実践を行い活躍できる人材を育成したいと考えている。」と受賞の喜びとこれからの抱負を述べられました。
また、福見秀雄賞受賞者を代表して挨拶された南部雅美氏(熊本保健科学大学保健科学部医学検査学科 教授)は「栄誉ある賞を授かることになり、受賞者4名を代表して関係者の皆様に心より感謝を申し上げる。私は、昨年、国際的に細胞学の教育、研究、奉仕に生涯を捧げた細胞検査士に贈られる賞を国際細胞学会にて受賞し、半年後には福見秀雄賞をも授かることになり感無量である。今後も微力ながら後進の国際的活動の指導・育成に尽力する所存である。」と受賞の喜びと今後の思いを述べられました。
国立国際医療研究センター病院国際感染症センター センター長の大曲貴夫先生による「COVID-19の現状」と題した講演で、コロナウイルス感染症がこの3年間どうだったか、これからどうなっていくかのお話をいただきました。 発生当時は非常に重症化リスクも高く、死亡リスクの高い非常に危険な病気であった。特徴としては八割の患者さんは軽症もしくは無症状、残りの2割は急変し呼吸不全を起こし酸素が必要になる。特に発症して7〜10日してから急変するなど今までの病気と全く異なる点であった。オミクロン株になってからは、重症化リスクは下がってきたが、感染者はかなり増えた。また、治療薬の開発においても治験の時間が少なかったことによる苦労もあった。5月8日から5類になり、行政のサポートや医療体制はこの一年をかけて備えていくという考えで動いている。コロナが普通の病気になるということで、一般の方々が、医療が必要な時に安心して治療を受けるという場を作っていくことが重要で、今後は、医療に関わる方たちと相談していきながら進めていきたいとのことでした。
寺本哲也常務理事より受賞者並びにご家族の方々へのお祝いのことばが述べられ、「受賞された先生方の平素のご努力が高く評価されて本日の受賞になった訳で、この受賞を契機にさらに研究活動が発展され医療に貢献されることを祈念している。」と挨拶がありました。
贈呈式の後、受賞された先生方を囲んで、一般社団法人日本臨床衛生検査技師会 長沢光章副会長から受賞者へのお祝いと激励のことばをいただき、同氏による乾杯の音頭で祝賀会に移り、一般社団法人日本臨床衛生検査技師会 下杉彰男元会長の中締めの挨拶で和やかなうちに散会となりました。
(事務局 小澤 宏和)