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理事長からのご挨拶


渡邉治雄理事長

 公益財団法人黒住医学研究振興財団は1993年に財団法人として設立されて以来、関係各位のご指導とご支援のもと、順調に設立の趣旨に沿ってその目的を果たしてまいりました。さらに2010年7月からは、公益制度改革に伴い改めて「公益財団法人」としての認定を受けました。本財団の目的は、臨床検査、衛生検査、及びこれらに係わる基礎医学に対する研究助成、並びに研究業績に関する顕彰などの事業を行うことにより、社会に積極的に貢献し、国民の健康と福祉の向上に寄与することにあります。
 我が国の公衆衛生の水準は、微生物学的検査をはじめとする臨床並びに衛生検査技術の進歩発展・普及によって著しい向上をみせてまいりました。栄研化学株式会社初代社長 黒住 剛氏は小島三郎博士[元国立予防衛生研究所(現国立感染症研究所)所長]のご遺徳を偲び偉業を讃えるため、「小島三郎記念会」を設立し、斯学並びに検査技術の向上と振興に努力されました。その後、この会は「小島・福見記念会」と改称され、これを母体に、栄研化学株式会社第二代社長 黒住忠夫氏(元栄研化学株式会社代表執行役社長)の私財寄贈を基本財産として本財団が設立され、初代理事長に福見秀雄博士(元国立予防衛生研究所所長、元長崎大学学長)が就任されました。
 本財団では、「小島三郎記念会」より現在にいたるまで、小島三郎記念文化賞、小島三郎記念技術賞、福見秀雄賞を優れた研究者や功労者に贈呈し顕彰してまいりました。さらに、財団設立を記念して、若手研究者のために「研究助成金」を交付する事業を発足し、毎年度、各賞並びに研究助成金の贈呈式を開催し広く公開しております。2022年には財団創立30周年記念として、顕彰事業の小島三郎記念文化賞、小島三郎記念技術賞、および福見秀雄賞の副賞を増額し、研究助成事業では、時限付きではありますが対象領域に「感染危機管理」を新設し、助成額を増額いたしております。
 本財団は、引き続き斯学の一層の発展を期待しつつ、その目的を達成するため、事業の継続、改善、拡大を図るべく努める所存でありますので、関係各位におかれましては今後とも倍旧のご指導とご支援を賜りますよう衷心よりお願い申し上げます。  

2024年(令和6年)1月


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